4: 男木島大祭りの感想を述べる回。

先日もちょこっとだけ書いた男木島大祭り。その感想を話し合いました。

男木島では、2年に一度大祭り(おおまつり)という大きなお祭りをします。島の人たちが総出で催す一大イベント、そこで長女は太鼓の役割を、僕は屋台の頭取という役目を務めました。真理子さんは、裏方として僕や長女をサポート役として大活躍でした。

太鼓の演奏に必要な、三味線の音を歌う実演も含めて、島の雰囲気を感じてもらえるんじゃないかと思います。

冒頭と最後に1分ずつ入っているのは、練習中の音源です。

僕らを特集してもらっているテレビの動画をまとめた記事にもある以下の動画にも、お祭りの様子が少しうつっていますので、興味のある方はどうぞ。

以下は、読んで嬉しい文字ポッドキャスト(書き起こし)です。

伸一: はい。

真理子: こんにちは。

優花: こんにちは。

真理子: 男木ラジオです。男木ラジオは、瀬戸内海に浮かぶ人口175人の小さな島に暮らし始めた、家族とその仲間たちの近況報告ラジオです。

第4回目の今回は・・・

伸一: 男木島大祭り、です!

真理子: はい(拍手)!

伸一: では、男木島大祭りについて簡単に説明をします。
私たちも初めてだったので、ちゃんとなってるかはわからないんですけど、男木島と隣の女木島(めぎじま)、合わせて雌雄島(しゆうじま)と昔は言ったらしいですけども、1年ずつ交替で、夏にお祭りがね、おっきいのがあるんだよね。『大祭り(おおまつり)』っていうのが。で、今年は男木島の回だったんです。

で、その男木島大祭りの時にはどういうことがあるかって言うと、まず2週間くらいの練習・・・昔は1ヶ月くらいやってたらしい。っていうのをやって、で本番で何があるかっていうと、うちの裏の『豊玉姫神社(とよたまひめじんじゃ)』・・・玉姫さんで御祓いとか、巫女舞、御神輿、獅子鳴らし・・・獅子舞か、と”屋台(やたい)”というのをやります、と。
この屋台っていうのが、私たちも知らなかったんだけど、直方体・・・どんぐらいかね?6畳間ぐらい?もうちょっと狭いか・・・3畳くらいか。の直方体を作って、スケルトンの木組みのやつを作って、それに飾りつけ。竹の笹とか、お花とか、そういうので飾り付けをおばあちゃんたちがして、その中に楽団が入ると。

男木島の屋台の骨組み
男木島の屋台の骨組み
男木島の屋台に飾り付けをしたところ
男木島の屋台に飾り付けをしたところ

で、楽団の中身は?優花さん、前から順番に説明してください。1番前が・・・?

優花: 太鼓。

伸一: それから?

優花: 2番目が鐘。

伸一: 鐘っていうのは、何かまあるいお椀みたいなね、鐘が2つセットになってるやつを、二股に分かれた棒みたいなやつで「チンチキチンチキ」鳴らすやつだよね。それから?

優花: 3番目が三味線。

伸一: はい、三味線。で、その周りに”音頭(おんど)”っていう唄を歌う人たちと、そのさらに周りとか色んなところに、”囃子(はやし)”っていう、その音頭とか太鼓とかに合わせて声を出す人たちが居るんだよね。で、それが入ってくると。
で、豊玉姫のところで御神輿が周りであったり、獅子舞があったりして、最後にその屋台っていうのが・・・動かすんだよね皆でね。おじさん達がこう、運んで。中に子ども達とか、三味線を弾く人たちが居て、で、それを「奉納」するんだよね。っていうのがお祭りです。

で、”朝宮(あさみや)”っていうのが、朝のお祭りで本番で、その前の日に”宵宮(よいみや)”っていうのがあって。それは港のほうにある『加茂神社(かもじんじゃ)』でやります。

優花: 海水浴場のほうでしょ?

伸一: そう、海水浴場の近くにある加茂神社、でやります。

真理子: 下のほうね。

伸一: そうそう、だから港っていうのは、漁港のほうね。

優花: 港は船乗り場。

伸一: だから、皆の港(=乗船場)と、漁師さんたちの港があるんだよね。

で、その前の日に”大鳴らし(おおならし)”っていって、「鳴らす」っていうのが練習のことなんだけど、「鳴らしの大きいやつ」っていう意味で、港にある鳥居さんのところでやる、と。そういうのやったんだよね。

で、この練習が2週間あったんですけど・・・優花さん、どうでしたか?

優花: 大変だった・・・

伸一: (笑)すごい大変だったんだよね。

佑生くんはお祭りの練習どうだったの?

真理子: 毎日一緒に行ったよね。

伸一: 毎日お菓子食べたりさ、なんかジュース飲んだりしてなかった?

佑生: さきいか、めっちゃ食べてた。

伸一: さきいかいっぱい食べてたよね。

で、そのお祭りの練習に行くと、昔からやってたおじいちゃんおばあちゃん達が、子どもたちに教えてくれるんだよね。

佑生: ママが言って・・・

伸一: ん?何だって?佑生くんは。

真理子: ん?佑生くんなあに?

伸一: なんだって?

真理子: 「お菓子を」?「食べたい」って言ったの?

伸一: (笑)お菓子食べてるのが楽しかったんだよね。皆集まってやるからね。

それでそのお祭りの・・・私がやったのはお祭りのお菓子とか、お水・お茶とか、お酒とかが「ちゃんと冷えてる状態」になっているのをやる・・・(笑)仕切り役の”頭取(とうどり)さん”っていうのをね、色々な縁があってやることになったんだけど。

で優花はその練習をしました、と。
ではですね、ここで一節。というか全体的に、太鼓というのが、どういう覚え方をしたのか、優花さん!やってください!

優花: (ヒソヒソ声で)ひとりで・・・?

伸一: (ヒソヒソ声で)パパ達も手伝ってあげるから。

いいよ。「トッチンチーン」から。

優花: トッチンチーン〜・・・

伸一: サーサイ!(合いの手)

(全員で歌う様子)

伸一: こっからちっとわかんないね。

真理子: こんな感じで、唄が続いていくんだよね。

伸一: で、これの太鼓の「チンチンチンチン」言ってるところの、「チンツルチンツル」言ってるところが三味線の音なんだよね。で、それを子ども達もちゃんと覚えて、その合間で「ドーンドーン!」とか「サーサイ!」とかいうところに、合わせて太鼓を叩くっていうやつだったんだよね。
で、これを2週間くらいで優花とお友達が覚えて・・・2人でやったんだもんね!それを頑張った!っていうことだったんですよ。

お祭りはどうでしたか?真理子さん。

真理子: 面白かったし、お祭りの練習に来るおじいちゃんおばあちゃんって決まってたから、そこで仲良くなれたのは良かったかなー、って。

男木島のコミュニティセンターに集まって練習をする様子。かつては、頭取の家に集まってやっていたらしい。
男木島のコミュニティセンターに集まって練習をする様子。かつては、頭取の家に集まってやっていたらしい。

伸一: そうだね、私たちは「食べ物とかのお世話係」みたいなことをやってたから、おじいちゃんおばあちゃん達と仲良くなったんだよね。それがすごい1番良かったな、と思った。色んな決まりもあるしね。

真理子: (仕事内容、段取りすること、本番の様子が)わからない中、進めていくのは大変そうだったけど(笑)。

伸一: (笑)頭取さんっていうのは、なんていうか「リーダー」だからね。
で、私はもう途中で「何にもわからないので、全部教えてくれないと出来ません!」っていうのを言い放つ、ていう(笑)。

真理子: それでおばあちゃん達が「そうだそうだ、可哀想じゃ〜」って言い始めて(笑)。同情してもらってたよね。

伸一: 「同情ドリブン」なイベント運営でしたね(笑)。面白かったなぁ。

真理子: それでみんな協力的だったから、良かったんじゃない?

伸一: 良かったよね。お祭りもなんか盛り上がってたしね。瀬戸内国際芸術祭と重なってるからね。

真理子: 観光客のお客さんも、朝宮の日は結構居たし。

伸一: あとなんかさ、屋台の途中でさ、なんか『にわか』っていうのが入るじゃん。あれ面白いよね。なんか合間合間に出し物があるんだよね。屋台の人たちが休む時間なんだけど、その出し物の時間だけ、伝統とかすっ飛ばして何でもよくなる、っていう(笑)。
じゃあちょっと、お気に入りの『にわか』を言ってください(笑)。私は真理子さんが何を言うのかわかるけど。

真理子: 私は、あのおばあちゃん達のハワイアン(笑)。

伸一: やっぱり(笑)!アロハでしょ?ハワイアンでしょ?超可愛いよね(笑)。
なんかその、ハワイアンダンス・・・優花も見た?あれ可愛くなかった?

優花: いやあの時ね、なんかすぐ終わっちゃった。

伸一: そうだね、もうちょっと見たかったかもね。2〜3分なんだよね。2、3分。

真理子: 短いんだよね。

伸一: 「ヤートコセー、ヨーイ」・・・で、「サーサーサイ!」って言ったあと「にわか〜、にわか〜!」って言うんだよね。そうすっとなんか出し物が突然始まる。
で、あったのが、1日目は<校長先生のトランペット>・・・猪木の入場の音楽をやるっていう感じと、あと<ハワイアンダンス>だよね。それが宵宮で。
朝宮の時が、ミドリさんの歌ていう超芸達者の(笑)。セリフ付きのドイツ調のやつと、<犬舞>っていう橋本さんたちの、何故か獅子舞ならぬ「犬がウロウロして回る」っていうやつと(笑)。あと・・・なんだっけ?五反田団じゃないや、なんだっけ?

真理子: こえび隊の人たちでしょ?

伸一: そうそうそうそう、の人たちが郷土唱歌を歌ったんだよね。あと最後飛び入りで、<小学校の校歌を皆で歌う>っていうのがあって。それはすごい盛り上がったよね。

優花: 優花も歌ったし。

伸一: ね。私たちがちょっと歌えないから、寂しかったな。
優花もう全部歌えるの?どんな歌?

優花: 「あしたに仰ぐ〜」・・・あー、何だっけ?・・・「われら〜は男木の〜こーどもーたーちー」。

真理子: すごいリズミカルな校歌だよね。

優花: なんか、明るい。

伸一: 明るいよね。でさ、村の人たちが基本全員歌えるじゃん(笑)。なんか出身者が居るからさ。

そいでなんかあの、最初はこれ(頭取をやることになった)きっかけは、本当に村のこともわかってる大和さんと2人でやったじゃん?で、練習の時も「にわか、にわか」のタイミングを皆で練習するから、「にわかー、にわかー」ってやるとなんか誰かにマイクを渡すんだよね。そうすると<ねんころり>のセリフ付きの歌を毎日歌ってくれるアニイと(笑)。みたいな。

優花: なんか「ねんねこちゃ〜ん、ねんねしな〜」

伸一: そうそうそう、なんだっけ?「カワイコちゃん」だっけ?「ねんねしな〜!」っていうセリフ付きの歌が(笑)。あれ超良かった。

優花: あれ超面白かった。なんか歌って「ねんねこちゃ〜ん、ねんねしな〜」とか言って。

伸一: で「ねんこ〜ろ〜り〜」とか言って、「フゥー!」とか言って、おばあちゃん達が盛り上がる、みたいな。
で、その練習の時にたまたまね、1人のひとが「じゃあ校歌を歌いまーす」って言ったら、子ども達も皆で歌ってすごいいい雰囲気になったから。「これはじゃあやろう!」ってなってね。
あれはなんかこう、島が・・・学校、休校になっちゃったじゃない?1回。でもそれが復活して、お祭りやってるから、普段は島に住んでない人たちも帰って来てて。それで参加できるってのがすごい良かったよね。

優花、お祭りどうだった?

優花: ドキドキした。

伸一: 本番?着物も可愛いの着てよかったよね。お化粧もしてね。

優花: いつが本番だったの?

伸一: 本番、3回あったもんね。

優花: 1回目がさ、リハーサルっぽい本番・・・

伸一: そうそうそう、大鳴らしね。

まぁ、私はすっっごい大変でした(笑)。仕事は出来なかったね。止まっちゃう。

優花: 皆そうだったんじゃないの?

伸一: でも練習に来るだけの人たちもいるじゃん。私はなんか、朝とかさ(笑)。やたらと立ち働く場面が多かったから(笑)。

優花: えー?だってさ、橋本さんも(仕事)出来なかったんじゃ。

伸一: 仕事ね。漁行ってなかったもんね。

真理子: 飲み物を手配するだけじゃなくて、皆のお世話もするし。あとは、当日着る浴衣とか、着物とか、そういうもの。ああいうのも(準備したし)ね。

伸一: 基本なんか「イベント」だよね。ロジスティックス担当って感じ。「全部がある!」みたいな。で、何を揃えればいいのか・・・備品リストがない!スケジュールも無い!人に聞かないとわからない!みたいな。最後なんか「とりあえず全部聞き出す!」みたいな感じだったもんね。
今回、マニュアル残したから、次回以降は結構イケるんじゃない?

優花: 再来年はイケるんじゃない?

伸一: イケるイケる。あと合理化しようとすると・・・

優花: ちょっと待って待って、待って!優花さ、再来年さっちゃんと一緒にやるの?

伸一: 何を?

優花: 太鼓。

伸一: わからん。それはねー、タイミングだからわかんないよ。優花がやるかどうかもわかんない。

優花: さっちゃんがやる?

伸一: わかんない。

優花: え?なんで?

真理子: それは「そのとき島に誰が居るか」とか、そういう(ことで決まるから)。

伸一: そういうので決まるからね。タイミングだからね。
だから誰が何をやるかはわかんないんだ。今回(太鼓を)やれたのは良かったよね。優花がやれたのもさ。たまたま今回ちょっと、人が居なかったのが良かったんじゃない?
準備中も結構ね、色々あったけど面白かったもんね。

でね、あんまりね、あんまり合理化してもいけないのかもしれない・・・

優花: なんか優花さ、佑生が保育所行ってる間に夏休みだからさ、パパにテーラー乗せてもらって。で紐が切れて、あそこ行った。

伸一: (笑)それが面白かったの?あれ何の時だっけなー。

優花: しかもエンジンが無い!

伸一: エンジン?あ、ガソリンが無くなったのね。

真理子: なんか飲み物運搬してる時じゃない?

伸一: だから朝宮の日・・・それまでは、本番までは練習の会場に飲み物がいっぱいあれば良かったと。でも本番・・・大鳴らし、宵宮、朝宮の時は、それぞれの会場で・・・

優花: ちょっと待って。朝宮は絶対(飲み物が)要る!

伸一: うん、全部の場所に飲み物がなきゃいけないのね。

優花: なんで?

伸一: 皆お祭りの時は飲み物飲みたいから。優花の時にも、ちゃんと冷たい飲み物出てきたでしょ?宵宮やった時も。
で、暑いからさ、大鳴らし、宵宮、朝宮に冷たい飲み物がなきゃいけないじゃん。で、その宵宮と朝宮が時間が近いから、氷を運ぶタイミングとか。入れておく・・・収納するケースが無いから。あと当日は運んでる時間が無いので、私と・・・優花を連れて、朝宮の会場に3日か4日ぐらい前に飲み物運んでたんだよね。テーラーでね。上までね。
で、その途中で紐が切れ(笑)。かつその、エンジンを切ったら一巻の終わり!っていう状況のまま・・・

優花: え、ちょっと待って。それはコミュニティセンターで紐が切れたんじゃなかった?

伸一: そうそうそう。そこで動かなくなっちゃうと困るから、そこでエンジンを切っちゃいけなくて。
アケシさんに直してもらうところまで運んでってね。そこでエンジンを切って直したんだよね。
優花はそれが面白かったんでしょ?

真理子: そんなハプニングがね。

伸一: でもそれで、その直してくれた人とも仲良くなれるし・・・まぁ面白かったね。
いやー・・・頭取はもうやらないけどね(笑)。

優花: 頭取に選ばれてもさ、「すいません、僕大変なんで・・・」とか言うの?

伸一: うーん・・・難しいよねそれはさ。
昔は「やりたい!」って言ってもやれなかった、って話なんでしょ?昔はその、子どももいっぱい居た時にはさ、”役人(やくびと)さん”っていう「楽器やる人たち」になりたい!って言ってもなれなかったんだからね。これからはそういう時代に戻っていけばいいんじゃないの?

そんなところですか?お祭りの話でなんか言っておくことは。
優花さん、ありますか?

優花: ありません。

伸一: 真理子さんは?

真理子: ありません・・・いや、私は着物を準備したりするのが大変だったというか・・・縫い物がそもそも出来ないから(笑)。

伸一: (笑)丈を直すのがね。

真理子: おばあちゃんに頼りまくる、という(笑)。私は糸をひたすらほどくだけ、という仕事だった(笑)。

伸一: (笑)でもね、ああいう作業が出来る人たちもね、再来年・・・

真理子: そう、やっぱ(自分も)出来ないとなーと思ったね。

伸一: 再来年もやってくれるかどうかわかんないからね。

まぁじゃ、そんなところですか?いいですか?
今回は『優花さんの太鼓の歌披露』という回だったということで。

じゃ、さよならー。

真理子: さよならー。

優花: さよならー。

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