卒業生の保護者として、まずはお礼を申し上げます。このような卒業式を執り行っていただき、ありがとうございます。また、先生方が毎日子どもたちを育ててくださったこと、子どもたちが楽しく過ごせる場所を作っていただけたこと、この学校があることに感謝しております。
また、このような環境を作り上げてくださっている島と地域の皆様にも改めてお礼を申し上げます。優花を慕い、遊んでくれた先輩、後輩たち子どもたちもどうもありがとうございます。
優花さん、卒業おめでとう!男木島での生活が、優花の人生の半分を占めることになるとは、引っ越してくるときには想像もしていませんでした。
小学校に入学したとき、学校で一番小さかったあなたも今ではみんなのお姉さんですね。今、この学校にいる誰よりも長くこの男木小学校で過ごしてきたの優花さんになりました。
家では、家族が一人増えました。親の仕事も実はなんどか変わりました。
島では、パパとママの友だちとどんどん友だちになっていきました。
おじいちゃん、おばあちゃんにも親しんでもらって、通学の途中で捕まってお話もしてきました。
世界では、感染症が私たちの生活を一変させて、学校も休校しました。島のお祭りもなくなってしまいました。
私たち家族は、この美しい離れ小島で、より濃密な時間を過ごすことにも慣れました。
優花さんが大人になって、この時期を振り返ると、世界の混乱、大人たちのドタバタはどう映るのか考えることがあります。賢いはずの人たちがどんなに頑張ってもできないことがあって、それでもなんとか頑張って暮らしや仕事を作り、世界をなんとかしていたように見えてくれたら、と願います。
家族も、島も、学校も子ども幸福、安心、希望が消えてしまわないようになんとか頑張りました。世界を作り、動かすのは、本当はそうした人々の「なんとか少しでもよくしていきたい」の積み重ねだと、よく見えた数年だったのかもしれません。
これからの未来、感染症がおさまったあとも、人類の予想にないことが今まで以上に起こる予感がしています。中学生になったら、そんな未来に強く楽しく生きていける心と体をじっくり育てる3年間としてほしいです。
これからも島の人たち、先生方など、日々優花と触れ合う人々はみんなあなたを見守ってくれます。これからも一緒に考え、楽しみ、成長していきましょう。
令和4年3月16日 保護者代表 西川伸一