私、男木小中学校のPTAの会長をしておりまして、本日卒業式が執り行われまして、そちらで祝辞の挨拶をいたしましたので、記念のために原稿を保存。
本日の卒業式にあたり、PTAを代表いたしまして、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
卒業生の皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。
保護者のみなさま、お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。
ご来賓のみなさま、地域のみなさま、本日はお忙しい中、ご臨席を賜りましてどうもありがとうございます。保護者を代表して、心よりお礼申し上げます。
校長先生をはじめ、諸先生方には子どもたちを優しく、厳しくご指導いただき、本当にありがとうございました。
Aさん、Bさん、Cさん、今日まで元気に育ってきてくれて、本当にありがとうございます。私たち男木島の大人たちは、あなたたちが楽しく元気に育ってくれていることに感謝しています。
さて、突然ですが、今日はみなさんの寿命についての話をいたします。みなさん、自分の平均寿命は何才なのか、知っていますか?何才まで生きるのでしょうか。昨年のデータによれば、日本人の平均寿命は男の人が82才くらい、女の人は87才くらいだということです。ここで気をつけないといけないのは、これは、今、日本で生きている日本人全員のことで、今ここに座っている子どもたち、あなたたちが何才まで生きるのかを計算したものではないということです。
さて、では卒業生のみなさんの寿命の正解を申し上げますと、ざっくり言いまして、今子どものみなさんは100才まで生きることになります。人生、100年です。それから、80才になったとき、今の80才とは比べものにならないくらい、元気に暮らしているだろうと言われています。
今の70才、80才のおじいさん、おばあさん、だいぶ元気ですよね?でも、もっと元気だということなんです。だいたい今の60才くらい、つまりみなさんのおじいさん、おばあさんくらいの元気さで、今でも仕事をしたり元気に旅行にでかけたり、山登りをしたりしていると思うのですが、そのくらい元気で80才を迎えます。
どうでしょう。中学校を卒業する15才の二人はあと85年、小学校を卒業する12才のCさんはあと88年生きます。西暦で言って、だいたい2105年ですので、22世紀ですね。ドラえもんが22世紀から来てますので、その世界を生きることになりそうです。
どんな世界なんでしょうか。未来学という未来のことを研究する人たちが、どんなことを言っているのか調べてみました。
あと10年もすると、みなさんは25才くらいですが、車は自動運転になって、座っているだけでよくなるようです。運転免許証を使う機会も、あんまりなさそうですね。20年たつと、月に基地ができて1000人くらいが暮らしています。30年たつと、人間の形をしたロボットが、人間の最強チームに勝って、食器洗いや掃除などはロボットがやるようになります。50年たつと、3Dプリンタで街を作るようになります。火星に人が住み始めるのが100年後、ということで、みなさんもがんばればギリギリ間に合います。宇宙旅行が可能になるのは、大人になってしばらくしたころには確実で、孫が生まれる頃には、ちょっとしたお金持ちならいけるようになっていて、ひ孫が生まれる頃には、今の海外旅行くらいになってるようです。信じられないかもしれませんが、多分本当です。ぼくが皆さんの年齢だった頃には、車を運転する人は紙の地図を見ていましたし、電車の駅の改札口には、切符を受け取る駅員さんが10人くらい立っていました。まさか、携帯電話で話をしたり、インターネットで調べ物をしたり、Google Homeに声で話しかけて歌を流したりすることになるなんて、思ってなかったんです。だから、自動運転の車くらいのことは、まあ起こるだろうなと思います。
さて、だからなんなのだという話です。そういう世界だから、どう生きろというのか、気になりますか?僕もこの10年くらい、そんなことをずっと考えているのですが、残念ながら、ぼくにも答えは分からないのです。これからの日本、世界は、こんな調子でどんどん変わります。そして、そういう世界を生きたことのある人はいないのですから、誰にも答えは分からないのです。みんなが当たり前に100年生きるという世界もまだ来たことがないので、答えは誰にも分からないのです。ですから、楽しくやって生きていくのが大事です。そのために、これから何十年も元気に暮らしていく僕たちとして、何を勉強したらいいのかを考えましょう。どんな遊びをして、どんなことにチャレンジして、生きていけばいいのか、これからの中学校生活、高校生活、それからその後の80年くらいを楽しくがんばっていってください。
今日は卒業式という人生の節目ですから、未来の話をしてみました。あらためまして、おめでとうございます。これで挨拶を終わります。
平成31年3月15日
高松市立男木小中学校PTA会長
西川伸一
お気づきのみなさんもいらっしゃると思いますが、僕が最近読んだ、こちらの本のベースにもろに影響を受けて書きました。
LIFE SHIFT リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著
面倒な人は、漫画版もあります。